ほらそこに。
恥ずかしがって
昇ったらすぐ沈む太陽。
北極から吹いてくる北風。
一瞬も待ってくれない色。
ここにいると
なんとなく、
生きているものが持っている
みずみずしさや
凛とした空気が
目に見えてくる気がするのです。
でもそれは、
きっと東京にもあったのでしょう。
あの
いそがしく、
何千何万の足音が響く世界で、
私がただ気づけなかっただけ。
一日の始まり、
静かな台所に
一筋こぼれいる太陽を
感じてみてください。
あの新宿の駅に立った時
あなたの前を
そこをふっと通り抜けた風を
見つめてみてください。
学校帰り
それぞれの物語がつまった
満員電車の中から、
なんとなく夕焼けを
仰いでみてください。
家路を急ぎながら
気がつけば
夜空に散っていた星屑に
何かを思ってみてください。
きっとそこに
温もりがあるから。
きっとそこに
時があるから。
きっとそこに
真実があるから。
きっとそこに
あなた自身があるから。
そうそう
手のひらを見れば、
どれだけ保湿を怠ったかも
わかるでしょう。
濡れタオルに
アイロンに
やかんにコップに鍋に。
私の部屋では、
Anti-Dry campaignが繰り広げられています。
労働基準法を守れーいと、
酷使された道具たちが
騒いでる気がするのは
きっと気のせい。