ピアスの門出

お気に入りのピアスをなくしてしまった。 猫のシルエットに、真珠みたいなビーズが連なったピアス。 淡い恋の思い出がぎゅっと詰まったピアス。 二人の大事な瞬間に、いつも耳もとで揺れていたピアス。 散歩中に通った坂、立ち寄ったスーパー、お茶をした珈…

気まぐれ

なんか語れることしたいな。 ついでに生きる力つけたいな。 なんて軽い気持ちで大学をひょっこり休学し、やってきた北海道。 そこで ほんとに好きになった人と結婚しちゃいました。 コロナやら時代柄うんとこさっとこ、 なんとか始まった新婚生活というもの…

アラスカ ユーコン川のほとりで教えてくれたこと   エバリーンという女性

”Smile. Smile. That helps” どんなに辛いことがあっても、笑うのよ。それは、悲しみに溢れた心を照らす、太陽になるから。 笑顔の向こうを、歴史が駆けてゆく 世界の始まりが そのまま時を止めたかのような光景が 小さなプロペラ機の向こうに広がっていた。…

姉弟喧嘩に勝つために、私は旅に出る。

姉弟喧嘩に勝つために、 早稲女は旅に出る。 2019年10月〜2020年の10月までの1年間早稲田を休学します!(正式に許可が下りたのはまだ2020年3月末までですが‥) 国教の事務所におずおず、描きかけでツッコミどころに溢れた計画書と、とにかく世界に飛び出した…

去年のNO

"NO" 去年の冬、どこかにとりあえずいきたくて アラスカというものをとにかく見てみたくて 他の国を飛び回る仲間たちをみて焦って めちゃくちゃに アラスカネイティブの友人たちに がむしゃらにメールを送ったことがあった。 「ねえこんにちは。あのさ、あな…

渡り鳥 帰る。

なんだか騒がしいと思ったら 南の空の向こうから 渡り鳥の隊列。 三角形を綺麗に描きながら アラスカの空へ帰ってきた彼らを見て どうしようもなく 何かが込み上げてくるのは なぜだろう。 いや、何も自分は感じていなかったかもしれない。 何か感じたと思い…

この道が馬場に戻っても。

朝3時。 むっくりと起きだして ヘッドランプと手袋を手に しんと静まり返った森に入っていく日本人2名。 ふくろうのおしゃべりを こっそり盗み聞きしに いざ 10キロ3時間のアラスカ流朝活。 誰もいないけど、何かいる。 誰もいないのに 何かいる気がして…

一度は 人類の歴史から 姿を消したように見えた アラスカという大地の人々。 その血を継く子どもたちが アザラシのブーツと カリブーのパーカー 太鼓や扇を持って駆け回る。 University of Alaska その 響き渡る歌声に 遠い海と 遥かなツンドラの大地が見え…

刺繍

ほんの少し贅沢して むさくるしくて ちっちゃな 洗いこまれた喫茶店へ。 アラスカで惚れた 刺繍しながら 入っては去っていく人々の 1日のドラマに耳をすませる。 『短い人生の中で 心惹かれることには、そう出逢わない。 もし見つけたら 大切に、大切に....…

聴こえてくるもの

今日 アラスカの空が晴れわたった午後。 アラスカネイティブの女の子が 教室で どこか遠くを見つめて語った。 本の中に溢れた 彼らの祖先の知恵と 命の通った言葉に 何かたまらないものを感じたらしい。 椅子の上に うずくまるようにして座りながら ぽつぽつ…

この土地の人たち

この土地の人たちは なんだか不思議。 凍った大河。 雪が降ると 「雪が降るほどあったかい!」 とジャケットを脱ぐ。 −10℃をきると 「今日あっついなあ」 とマフラーをとる。 ー40℃に迫ると 「いっちょ参りますか!」 と水着になって外に飛び出す。 何か…

北から吹く風

今日 フェアバンクスに 風が吹きました。 北極の香りがする 冷たいけれど なんだか懐かしい風が。 風の通り道 アラスカの大地は 人間を拒むことも 人間を迎えることもありません。 そんなものより どこか遠くの 遥か彼方の 何か偉大なものを見つめる山々の間…

大河

「だからなあ俺はいうぜ。人類は月に降り立ってねえんだよ!!!」 この人、やばい。 マリファナの緑がかった煙に包まれながら、 青い目をまん丸に開いて叫ぶ彼を見て、 真剣にそう思った。 朝焼けを飛び越える。 五人乗りのプロペラ機で、 今まで人類が触れ…

一本の川。

今まで生きてきた20年間 見たことも 会ったこともない人々と 踊り 笑い そして手を繋いで迎えた 新しい年。 つくづく 自分が歩いてきた道の展開に 不思議な縁を感じるばかり。 アラスカという 世界の果ての澄んだ夜空に 花火が咲いては散って行くのを見た時 …

風通し

たとえば なんだか最近 やけに上手くいかないなあと思ったら 無理やりでいいから 人生に意味付けしてみると どこかすっと 風通しが良くなる。 青い風が通る場所 その人生の一コマが 何を告げよう 何を教えようとしているのか じっくりじっくり ほろ苦いコー…

海と石けん。

アラスカの冬の 厳しく 暗い寒さを 足元でひたひたと感じながら 食器を洗う手のひらと ちゃんちゃんこに隠れた 心があるらしいどこかの底は なんだか 暖かかった。 世界の果ての海辺。 「幸せって何」 私が一生かけて探し続けたい そんな問いを 不意に お世…

ビスケットを何度で焼くか。

ビスケットの焼き加減とか 映画の公開日とか 神様は誰かとか。 小さい木箱の中で 私たちは今日も議論する。 大荒野の小さな家 そこから 思わず逃げ出して 雪に埋もれた森を駆け抜ける。 雪の中か森の中か。 その先に 今日も明日も変わらずに ただ 山々がある…

線路。

アラスカの原野に実ったブルーベリーと たっぷりの小麦粉で焼く パンケーキ。 アラスカ生まれアラスカ育ち 何かをただまっすぐ思う人の顔。 窓越しに見て 何かを思った昨日。 しんとした感じ。 遠く遠くへ続く アラスカ鉄道の線路を踏んだ時 そんな気持ちも …

靴紐

短いか 長いか わからない人生の中で 時に 靴紐をしっかり 結び直さなきゃいけない時がある。 どうしようもないほど綺麗で。 4ヶ月 寝ても覚めても 事故にあっても 盗難にあっても 泣いても 怒っても笑っても 常に隣にいた姉御。 昨日だけは 目も合わせず …

靴紐

短いか 長いか わからない人生の中で 時に 靴紐をしっかり 結び直さなきゃいけない時がある。 どうしようもないほど綺麗で。 4ヶ月 寝ても覚めても 事故にあっても 盗難にあっても 泣いても 怒っても笑っても 常に隣にいた姉御。 昨日だけは 目も合わせず …

透き通った瓶のような

「あなたの周りにまだ残された 美しいものに 心を向けるのよ」 何か聴こえる。 アンネフランクの そんな言葉を ふと思い出しながら アラスカ鉄道の汽笛を 遠くに聴く。 遥か彼方で 同じ大地を踏みしめて また今日も 歩いていくカリブーを思いながら また 過…

久々夜明け。

時が 手を振って自分から去っていく。 また朝が来たんだという。 そんな なんだか切なくて だけどどうしようもない時。 そんな時 どうすればいいのだろう。 鏡を覗いた時 そこにいたはずの 無邪気であっけらかんとした 幼い自分はいないことに気づいたり。 …

占いは信じない。

いくら コインの裏が 今日は全てがうまくいくでしょう!! っていったて、 信じちゃあいけない。 うまくいくっていうのが 5ページだと思ってた論文が7ページって分かったり、 今日締め切りなのに今日の9時まで手付かずの宿題とにらめっこしてたり、 盛大に…

We were shaken but not broken.

言霊ってあるんだろうか。 昨日 「アラスカは津波か大地震でも来ない限り なくならんから 焦らんで来てよ〜」 なんて 電話していたら 今朝 TSUNAMI WARNING ってFacebookが大荒れ。 それなのにどこまでも澄んだ空だった。 アラスカ南部アンカレッジの沿岸部…

青いりんごのような。

青臭く 恥ずかしいような そんなこと。 でも、 たった一つ、 これがなかったら 自分じゃなくなるって思うものを 考えた。 色が滲んでいくような。 しばらく じっと考えていたら、 ああ そうかと ふってきたもの。 ”言葉”だと思う。 自分は 多分 言葉が消えた…

まあいいか。

心から優しくなんてなれない。 そう思ってしまう。 何か見返りを求めてしまう。 そんな自分を嫌ってしまう。 それでも木はそこにある。 自分のちっぽけさに 嫌気がさすこと。 汚い自分ごと 大地に沈みたくなること。 たまにありませんか。 でも今は 今日は …

12回目の約束。

Deadline on Mon, Nov 26 2018 at 5:59pm 私の提出時間 ↓ これは歴代最高級にスリリングだった。 件名も何も書かずに 放り投げるように教授にメールを送るなんてこと もうしない。 多分。 人生12回目の約束。

耳をすませば

聴く という力が どれだけ人間の底に眠っているのか よく考えます。 Alaska Nativeは ただ長老たちの物語を聴くこと それによって 何千年もの間 知恵と伝説を繋いできました。 霜降りにも音がある。 Alaska Native Danceの授業で ひたすら60分 地べたにぺた…

ささやきのワルツ。

『寮に留まりたいなら 予防接種を打ちたまえ』 そんな手紙をびりりとちぎって、 そのまっ白い丈夫な紙の裏に 観たい映画リストをつくる。 幸せの音がする。 日々のささやかな楽しみ。 Inupiaqの教科書ほおりだして、 わくわくしてしまった深夜12時であります…

いつも通りの日々

いつものように 灯りがついて 音楽が聴こえて 向こうを見たら いつものように 笑顔が弾ける。 ふたりぼっちなのに賑やか。 こんななんでもない いつも通りの日々が戻ってくる場所を 我が家というのだと思う。 やればできる子。 夜2時からの 井戸端会議。 冷…