聴こえてくるもの
今日
アラスカの空が晴れわたった午後。
アラスカネイティブの女の子が
教室で
どこか遠くを見つめて語った。
本の中に溢れた
彼らの祖先の知恵と
命の通った言葉に
何かたまらないものを感じたらしい。
椅子の上に
うずくまるようにして座りながら
ぽつぽつと語る
黒髪の彼女。
先住民として
現代を生きること。
文化の重みと
責任の苦しみ。
その誇りと
その苦み。
その美しさと
その厳しさ。
私が
ただの教科書だと思って
手もつけてなかった本なのに。
彼女はそこからどんな風を感じたのだろう。
誰の囁きを聴いたのだろう。
何を見たのだろう。
ああ、
もっと真剣に
学ぼうと、思った。