舞
一度は
人類の歴史から
姿を消したように見えた
アラスカという大地の人々。
その血を継く子どもたちが
アザラシのブーツと
カリブーのパーカー
太鼓や扇を持って駆け回る。
その
響き渡る歌声に
遠い海と
遥かなツンドラの大地が見える。
その力強い舞に
偉大な一つの民族の
何千という歴史が流れる。
いつか
この踊りを思い出して
この意味のない広がりを思い出して
この大地の空の深さを思い出して
この人々の瞳の深さを思い出して
このアラスカの風を思い出して
きっと泣いてしまう。
どこかの映画のタイトルのような言葉が
無性に心の溢れた。
また
私は
アラスカに戻ってくるんだろう。
そう
根拠もなく思った。